小学校の頃の話。
5年生か6年生の頃。

その日はいつもよりもちっと遅れ気味の登校になり、一人通学路を小走りになってた。
途中、同級生の女の子の住む家があった。
同級生といってもクラスもちがうし、話したこともない子だった。
その子の家は当時どこにでもある普通の家だった、。

その日。
通学路は畑の中を走る僕一人。
その家が近づくにつれて、
バシン、バシンと乾いた音が聞こえてきた。
僕はただ学校に遅れないようにと、気にもせずその家の玄関の前を通り過ぎようとした。
ふと、音のする玄関に目を向けた時の光景、、

ランドセルを背負いながら
仰向けになってたその子。
父親は、叫んでいた。
爐呂笋学校にいけ!
   学校にいけよ、このやろう!
父親は、その子のお腹に思い切り何度も竹刀を振り下ろしていた。
外に響いていたバシン、バシンという乾いた
音はこの音だった、
女の子はただ泣きじゃくっていた。

僕は玄関前で立ちすくんだ、
瞬間、その女の子と
その父親と、目と目があった。
女の子は僕に救いを求めていたような、
父親は見たな!といわんばかりに
僕のことを睨んでいる気がした。
とにかくすぐにその場を立ち去ることしか
僕には出来なかった。

走りながら、いろんな考えが頭を駆け巡った。
その子はあまり目立つような感じではなく、
もしかしてクラスでいじめにあっていたかもしれない、
なにか訳あって学校にいきたがらない彼女に父親がいらだって折檻をしていたのか、、

恐かった、無力だった、
早く学校につきたかった、、
僕がみたことをだれかに伝えたかどうかは、
覚えていない。

後日、彼女は普通に学校に来ていた。
僕たちはそれまで同様、言葉を交わすことも
なかった。


年月が過ぎて僕は子供を育てる側になった。
今、児童虐待のニュースが流れる度に
あの日見た、あの光景を思いだしてしまう。
あれはしつけだったのか、
日常的に行われていた虐待の
1コマだったのか、、
今、あの子はどんな大人になっているのだろうか、、、
あの時何も出来なかった無力な自分を悔しく思う。

DV、虐待、ネグレクト、、
他人が介入しずらい現状では、行政や警察が積極的に介入しなければ、なくなることはない。
それは、もしかしたらすぐそばで埋もれている事実なのかもしれない。