たまに、とりわさないの?とか、
レバ刺しないの?とか
聞かれるので、書いておきます。

当店では、保健所の要請に応えて
鶏の生肉を出していません。
以前は当店でも鳥刺し・とりわさ・レバタタキなど、出してましたが、
昨今はカンピロバクターによる被害が
大きく取り上げられるようになり、
リスクを考慮し、止めることにしました。

大人の常連さんだけのお店だったら、とりわさなんか何の問題にもならないのでしょうね、たぶん。

不特定多数のお客さん、特に家族連れを相手にサービスするのであれば、店としては、リスクを避けるのは当然なのでね。


昨今の事情を書いておきます。

興味のある方、どうぞ。



◯当店が生の鶏肉を出さないわけ

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市場に流通している鶏肉の6割にはカンピロバクターという菌が付着しているといわれていて、カンピロバクターは新鮮な生肉であるほど多く繁殖します。

衛生環境が事足りていなかった一昔前までは、カンピロバクターに対して多少抵抗力の備わった方もいて、それによる食中毒被害はあまり話題にならなかった。

しかし
 
1.近年食生活の衛生環境が向上したことにより、昔と比較すると成人層においてもカンピロバクターに対して全く抵抗力が無い若者が増え、そのような場合は
健康状態がよくてもカンピロバクターによる体調不良を起こすことがある
 
2.今までは医者判断においても“お腹にくる風邪”程度の認識であったものが 近年の医療科学の発展により、カンピロバクターが原因によるともの判断できるようになってきた、

3. メディアの影響等により、肉の生食がブームとなった

それらの結果、カンピロバクターによる体調不良と結論づけられる事例が、ここ数年非常に増加傾向にあるようです。

昨今の保健所主催飲食店向けの衛生講習会では必ず話題になり、注意喚起されています。

当店でも以前は、とりわさ・鳥刺し・レバたたきと言った、表面を加熱処理した生肉のサービスをしていた時期がありましたが、肉の表面殺菌だけではすべて殺菌できるわけではないことが、最近になって判明してきました。当店も、指摘を受けたこともあります。

生肉食における保健衛生の時代的な状況変化を受け止め、安全を第一に考えて生肉サービスを止めることにした、というのが流れです。

保健所としては鶏肉の生食禁止の立法化を実現したいようだが、国の立場としては、その被害の影響は死亡事故に至るようなo-157に比べれば微々たるものであり、また一部地域では生食が当たり前になっているが故に食文化を守る見地から生食の禁止という立法は難しく、また手間が掛かるという状況のようです。

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